言葉は沈黙しているあいだに思考する
意味を伝えるために示されるものと
表われる意味以外のものに示されるもの
言葉によって話されるものと
文字によって書かれたものの
あいだで類似が記憶を再生し
再生した記憶が類似を知覚し
再構成された知覚は紐づけされ
類似は感性を必要としなくなる
そのとき言葉は媒質となる
話されたものと書かれたもの
意味するものと意味されるもの
言葉の始原と文字の起源
時間の澱を照らす自然の光は
既視感のように未来を報せる
預言者の言葉は理性では感受できず
宣託として言葉自体がその度に顕れる
その現れ方の形と予兆と姿を刻まれた
言葉の素となる文字
言葉は自らを意味すると同時に
意味自体を指示する
精神が身体から離れて
自由に手を伸ばすように
言葉は意味から離れて思考する
類推から生まれた隠喩
Y軸の換喩と提喩にX軸の象徴と物語
天空に散らばった言葉が布置する時
意味を読むことが未来を読むことになり
言葉を文字にして記憶を生き永らえる