対話と言葉

 誰かと対話をする時に、相手の話しを全て理解してしまおうとするのではなく、常に理解の途上に留まりながら相手の話を聴く姿勢と、相手のユニークさに関心を向けて支配的な言説に隠れたローカルな知を掘り起こそうとする態度は、未だなかった理解や対話の可能性を報せてくれる。

 その時に、私達が使っている言語は、同じ言語でもそれぞれ独自な言語を使っているという理解が必要になる。言葉は相手の世界を表すもので、相手を理解しようとするなら、相手の世界の言葉を使う必要がある。対話は、メタ言語のような互いの辞書を交換しながら、新たな意味を生成しているようにみえる。